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お別れの時
旅立った直後に駆けつけて,まだ温かい身体をなでてくれたり.
お昼食べてなかろうと,パンを買ってきてくれたり.
お庭からお花を分けてくれたり.
思い出話に耳を傾けてくれたり.
一緒に涙を流してくれたり.
お手紙をくれたり.
いっぱいいっぱいなでてくれたり.
お供えに好物のみかんやおやつを送ってもらったり.
お野菜をいただいたり.
マッサージしてリラックスできたら…と,お手製のアロマスプレーをいただいたり.
(間に合わなかったけど,旅立った後だったけど,度々スプレーしてずっと良い香りに包まれていました)

そして,暖かいメールやコメントをいただいたり.

みんな,どうもありがとう.



さくらは触れない骨がないくらい痩せてしまっていたけど,旅立った後も毛並つやつやで,安らかに眠っているのを見ると,そのうちムクッと起きるんじゃないかと本気で思いました.
そんなことはないんだと思い直すたびに,涙が止まりませんでした.
腹水がかなり溜まっていたので,お腹だけはいつまでたっても不思議なくらい柔らかでした.

食欲がなくなってしまっても,もしかしたら食べたかもしれないチョコパン. 枕元に置くと,状況を分かっているのかいないのか?『さくちゃん,食べないねー.』と,不思議そうなみーちゃん. お皿を懸命にさくらの鼻先に寄せようとするそーちゃん,
そうだね. 本当に食べさせてあげたかった.


一階の和室にお布団を並べ,みんなで添い寝して,そして,16日に最後のお別れをしました.
にぎったお手手はいつもと変わらず柔らかかった.
大好きなチョコパンとパンケーキ,そしてボールをもたせました.
お別れの時_f0086355_046049.jpg



今はリビングに居ます.
これだけ小さくなると,あぁ,逝ってしまったんだなと,しみじみ感じます.
お別れの時_f0086355_0464455.jpg




携帯の下書きフォルダを見ると,

『無事帰宅しました U^ェ^U
点滴を1リットル近く入れたのに,病院では全くトイレをしなかった私. 病院を出た途端,ジョ~. さらに帰宅してウンPもしました. よかった~.』

なんてメールが残ってる.
抗がん剤を打った日の夜,携帯からアップするつもりでした.
あまりの眠さに断念し,翌朝にでも…と思っていたのに.



5月13日,抗がん剤は予定通り打ちました.
血圧は問題ないものの,心拍数が高かったので,念のため血液検査をするとカルシウムの数値が高く出ました. 癌細胞があるホルモンを分泌し,それが原因で高カルシウム値になってしまっていることが推定され,対応として利尿剤を点滴しました.
他には特に予想外の事態も起きず,嘔吐もなく,約束通り,夜19時過ぎにお迎えに行きました.

診察台で待っていたさくら.
長い治療でくたびれたよね. 絶不調の身体でよく頑張りました. 本当にお疲れ様.
これが生前最後の写真です.
お別れの時_f0086355_0472630.jpg


病院では緊張していたようです. 病院を出てホッとしたのか,大小を済ませ,そして家で少し吐きました. 気持ち悪そうだったので,ご飯は食べさせずに,お水を少し飲ませて寝せました.
私も緊張の糸が解け,『ただいま』の記事をアップさせることなく眠りました.



翌14日.
普段通り5時半に起きると,さくらの目がうつろでした. 黄疸は一層ひどくなり,お腹も耳の中も黄色でした.
トイレに出そうと,抱っこしようにも,全く力が入らない.
この時初めて知りました.
数日前から立てなくなって移動は抱っこだったけど,寝たきりながらもさくらはちゃんと『抱っこされよう』として身体に力を入れて協力してくれていたんだ….
基本的に外でしかトイレをしたがらないので,寝たきりになってもやっぱりお外に行きたかったんでしょう.

でも,この時のさくらの身体は全くぐにゃぐにゃで,二人がかりでも抱きかかえられない状態でした.
7時頃だったと思います. 辛うじて庭へ出すも,目の焦点が合わず,軽く手足をバタバタとさせました. 顔の表情を見て痙攣かもと思い,かかりつけ医に電話しました. 時間外だったので折り返しの電話を待っている間に一旦痙攣は治まり,N先生に昨日からの経過と今の症状を話すと,痙攣を抑える薬はさくらの肝臓に負担になるので,もう少し様子を見よう,水もごはんも食べられていないので,病院の開く時間になったら点滴をしよう,という話になりました.

あーちゃんはいつも7時18分に登校します.
この日もさくらに行ってくるねと挨拶して,家を出ました.
その直後,頭をもたげて,また手足をバタつかせました.
さくら,苦しいのかな,どうしたいのかな,どうしたらいいのかな… いつもならお水かな?トイレに行こうか?暑いから隣の部屋に行く?…何となく目で訴えたりして感じるのですが,この時はほとんどサインをよみとってあげられませんでした.

そしてそのまま,私達にさすられたまま,7時38分に息を引き取りました.
あまりに突然だったので,一瞬わからず,思わず『さくら? さくら?』と呼びかけると,不意に手足を動かしました.
その様子を見て,あぁ,いっちゃうのかな… と思いました.
本当に静かに,眠るように旅立ちました.



抗がん剤で少しでも身体が楽になってくれれば… という願いむなしく,つらい思いをさせてしまいました.
申し訳ない気持ちでいっぱいです.
それでもさくらは静かに受け止めてくれ,自分なりに時を選んで旅立ったように思います.
最期まで家族思いの最高のお姉ちゃんでした.

本当にありがとう. さくら.
by non08609 | 2010-05-18 01:02 | 病院 ▼:ェ:▼
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